2024年09月25日

中国の景気刺激策は習政権の時間稼ぎに過ぎず 追加策に期待が広がる展開だが...

 中国人民銀行(中央銀行)の
   潘功勝総裁
は24日、他の金融当局トップらが参加し、北京で開かれた異例のハイレベルの記者会見で中国がここ数十年で実施した政策キャンペーンの中でも屈指の大胆施策を打ち出した。
   
 発表されたのは、主要な政策金利や市中銀行の
   預金準備率の引き下げ
   住宅購入へのインセンティブ拡大
   株式安定化基金の検討 など
デフレスパイラルの瀬戸際にある中国経済に
   大量のカンフル剤
を注射するような一連の緩和策だった。
 なお、これらは、市場ウオッチャーが数週間前から求めていたものだ。
  
 中国本土と香港の株式相場は急伸した。
 中国本土株の指標CSI300指数は2020年7月以来の大幅上昇を記録した。
 自動車や高級品メーカーなど中国依存度が高いセクターが買われて、米株価指数先物と欧州株も値上がりした。
  
 矢継ぎ早の政策発表を受けた市場の反応は、ハーバード大学とケンブリッジ大学で学んだ潘総裁が中国経済に貴重な時間を稼いだことを示唆した。
 
 ただ、習近平国家主席が
   約18兆ドル(約2600兆円)規模
の中国経済を、不動産不況や消費者物価の低迷、世界貿易の高まる緊張を背景とする長期低迷から救出するつもりならば、今回の刺激策はほんの手始めに過ぎないとエコノミストらは考えており、大量のカンフル剤が続けば中毒状態に陥りショック死する可能性もある。

 こうした事情に詳しい関係者によると、24日の会見は、習政権高官の間で数週間にわたり懸念が高まっていたことを受けて、48時間前に急きょ準備された付け焼き刃とも言われている。
 今年の経済成長目標を達成できない可能性が次第に明らかになる中、政策当局高官らは経済を議論するため予定外の非公開会議を複数回開催したという。

 とりわけ懸念されたのは、経済成長に大きく貢献する沿岸地域の少なくとも一つの主要な省の役人から
   国内総生産(GDP)の目標達成は難しいとの警告
があったことだと関係者の1人は明かした。

 共産党指導部の素早い方針転換は、多くの政府関係者にとって想定外だった。
 部外秘秘情報を理由に匿名で話した複数の当局者によれば、景気回復を目指して立案した政策提案に対するフィードバックを何カ月も待っていたところ、先週突然、さらなる情報提供を求められ、24日の会見に備えて徹夜を余儀なくされた政府関係者もいたという。
 金融市場が反応したことで、その努力は今のところは報われた様子だ。
 潘総裁ら当局者は、中国経済に関する見解に差し当たり変化をもたらした。

 ここ数週間、ゴールドマン・サックス・グループやUBSグループなどの金融機関が、物価下落を警告する相次ぐ悪いデータを受け、中国の経済成長率予測を下方修正していただけに、大きな転換となった。
  
 ブルームバーグ・エコノミクスなどは今、習主席が掲げる「5%前後」の今年の経済成長目標を政府が達成すると予測している。
 ただ、日本型デフレを回避するには、さらなる対策が必要だとする点で大方のエコノミストの見方は一致している。
 欠如したままの大きな要素は中国14億人の消費を活性化させるための首尾一貫した戦略だが、出来るかどうかは不明だ。
 
 中銀が市場の予想を上回る措置を講じた今、注目が集まっているのは財政省の対応だ。
 10月1日から始まる国慶節の1週間の大型連休を前に、中国共産党の政治局員24人が会合を開く予定で、今後数日中にさらなる財政措置が講じられる可能性はある。
 
 この国慶節のイベントは、共産党が中華人民共和国を建国してから75周年を祝うものとなるが、国民の財布が緩むかどうかはわからない。

 中国政府指導部は、消費喚起や製造業からのシフトを米国などから求められているものの、国民への現金支給は避けたい考えだ。
 給付金は各国で需要喚起の一般的な政策手段とされるが、中国は
   費用を賄えない福祉国家構築
を心配する。
 また、世界有数の貯蓄率を誇る同国では国民の大半が給付金を消費に回すか当局者は懐疑的だ。

 このため、市場では、
   売れ残り住宅の買い上げ
に向けたさらなる資金拠出や社会福祉支出拡大などの措置に期待が高まっている。
 財政省は、インフラ支出増額に向けて地方政府に債券発行拡大を促すこともできる。

 
ひとこと
 中国共産党幹部の懐を潤してきた不動産業界の発展が山を越えさかを転げ落ち始めており、誰が止めれるかだ。


posted by manekineco at 19:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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