海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が今月4日、中国浙江省沖の中国領海を一時航行したことが10日明らかになった。
自衛隊の艦船が中国領海を航行するのは極めて異例だが、中国艦艇が日本領海の尖閣諸島や沖縄の島礁等の間を潜水艦が潜航して通過するなどの領海侵犯を繰り返しており、日本側から度重なる退去勧告を受けるも蒸しさ続ける厚顔さを棚の上に上げ、今回は中国側から退去勧告を受けていたという。
もともと、周辺では中国軍の実弾射撃訓練が予告されており、情報収集をする目的もあったのだろう。
中国政府は日本側に(中国にとって)深刻な懸念を伝達したというが、日本にとっては当然の権利の行使の範囲だ。
日本政府は経緯を調べると外交・防衛ルートで伝えた。
防衛省は艦長に聞き取りを実施するなど調査を始めた。外交筋が明らかにした。
そもそも、国連海洋法条約では沿岸国の安全を害する行為を行わない限り、領海を航行できる「無害通航権」が認められている。
すずつきの航行も国際法違反に当たらない可能性が高いものであり、問題とならない。
そもそも、意図的な航行かどうかは不明という問題を持ち出す親中国の与野党政治家やマスコミの批判は話にもならない。
当然のこと、日本政府関係者は「少なくとも法的問題はない」としている。
防衛省は中国寄りのメディアの取材に対し「自衛隊の運用に関する事柄なので、答えを差し控える」とコメントした。
中国政府は海自艦による「意図的な挑発」の可能性も否定できないと主張して内部で詳しく情報収集・分析を進めている段階というが、Wスタンダードの思考と二枚舌外交がそもそも問題の根源だ。