2024年10月05日

米雇用統計はFOMCのインフレとの闘いが終わっていないことを意味する

 英国ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長の
   モハメド・エラリアン氏
はブルームバーグテレビジョンのインタビューでエラリアン氏は、「これは単に堅調な労働市場ということではなく、これらの数字を額面通りに受け取れば、サイクル後期における強い労働市場だといえる」と発言し、雇用統計はFOMCのインフレとの闘いが終わっていないことを意味するとして警告を発した。
   
  エラリアン氏が米雇用統計好調で「インフレは死んでいない」と警告
 英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長の
   モハメド・エラリアン氏
は、予想以上に好調だった米雇用統計について、「インフレは死んでいない」ことを気づかせたと指摘。米金融当局は物価上昇との闘いに再び焦点を合わせる必要があるとの見解を示した。

 9月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25万4000人増と、6カ月で最大の伸びとなった。
 増加幅は全ての市場予想を上回った。
 米金融市場では株式相場と債券利回りが上昇した。

 エラリアン氏は4日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「これは単に堅調な労働市場ということではなく、これらの数字を額面通りに受け取れば、サイクル後期における強い労働市場だといえる」と発言している。

 「連邦公開市場委員会(FOMC)としては、一つの責務に押し込めようとする市場の圧力をより一層強く押し返すことを意味する」と指摘し、「『FOMCは雇用の最大化のみに関心を持つべきだ』という話はもうやめた方が良い」と続けた。

 雇用統計を受け、トレーダーらは11月と12月における大幅利下げの織り込みを急速に後退させた。

 スワップ市場が織り込む年内の米利下げ幅は現在50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を若干上回る程度となっており、3日時点の60bp余りから縮小した。
 金融政策に敏感な米2年債利回りは雇用統計発表後に急伸、15bp余り上げて3.86%となった。

 エラリアン氏は「雇用統計を受けて、市場では過度に積極的な米利下げ期待が後退しつつある」とし、「市場の見方はより現実的なものに近づくだろう」と続けた。

 同氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストも務める。
 
    
posted by manekineco at 14:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック