2024年10月16日

ハリス、トランプ両氏いずれが勝利でもインフレ率や成長率は同程度か

 ブルームバーグが調査したエコノミストの結果、11月の米大統領選で民主党候補ハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領のいずれが勝利しても、米インフレ・成長見通しはほぼ同じだとみているという。
 ただ、経済全体を巡る評価ではハリス氏の方が高めとなっている。

 7−10日にエコノミスト29人を対象に実施した調査では、今後4年間の平均でいずれの候補者が当選の場合も、米金融当局がインフレ指標として重視する
   個人消費支出(PCE)価格指数
は年率2.2%上昇、国内総生産(GDP)は同2%増と見込まれている。

 米金融当局は物価目標を2%とするとともに、金融当局者は四半期経済予測で長期的なGDP伸び率見通しを1.8%としており、最新のエコノミスト調査の予想はいずれもやや高めの数字となっている。

 どちらの候補者が当選しても比較的高めの金利が予想される一因だが、ハリス政権誕生となった方がトランプ政権の場合に比べ金利は低くなるとエコノミストはみている。

 両候補が掲げる経済政策は非常に異なっているため、インフレ率や経済成長率の予想がいずれの候補の場合も同様の数字となったのには意外感が市場に広がった。

 なお、エコノミストの62%はハリス氏の方が経済成長や雇用、インフレの長期見通しにとって一段と好ましい政策課題を追求すると予想しており、トランプ氏の方が好ましい政策を推進するとの予想を示したのは残りの38%しかなかった。

 トランプ氏の政策課題で最大の懸念があるのは関税政策で、同氏は全輸入品に一律20%の関税、中国からの輸入品には最大60%の関税を課すとしており、当然、輸入物価が急騰することを意味している。
 なお、他国・地域はこれに対抗する形で米国からの輸入品に関税を賦課する可能性があり、その場合、インフレ率を押し上げて経済成長率の鈍化につながる恐れが高い。

 物価高や高金利に懸念を抱く有権者に対し、ハリス、トランプ両氏の陣営は自分たちの政策の方が経済の強化をもたらすと訴えている。
 ただ、どちらもまだそのための財源を完全には説明しておらず、いずれの候補の政権下でも米国の財政問題は悪化することになり、資金を日本国民が保有している資産を流し込もうと政治的圧力を高め、反対する勢力を抑え込むため与野党政治家の発言を誘導すべくマスコミを使った偏向報道などを繰り返して世論誘導を工作しかねない状況が迫っているともいえる。

 米財政赤字は現在1兆9000億ドル(約284兆円)前後だが、エコノミストはトランプ政権誕生なら今後4年間の平均は2兆2500億ドル、ハリス政権なら同2兆ドルになると予想しており、穴を埋めるための資金をどこから流し込むかに注目したい。

 ハリス氏は富裕層や法人への増税を計画しており、同氏の政策の方が総じて赤字幅の上積みが少なめになるとみられている。
 ただ、児童税額控除の拡充などハリス氏のプログラムの一部は財政に負担となる。

 一方、トランプ氏は在任中に成立し、2025年末に失効する個人所得税率引き下げなど「トランプ減税」の延長や、法人税率の一層の引き下げを掲げており、連邦の歳入はさらに落ち込むこと可能性が高い。
 同氏の陣営はその穴埋めのため歳出削減やエネルギー生産の拡大、関税賦課に頼るとしており、売りつける先の日本が穴埋めを売る羽目に陥りかねない。

  
posted by manekineco at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 株銘柄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック