アンドリュー・ビタビ（ Andrew Viterbi） ビタビアルゴリズムの発明 クアルコム（Qualcomm Inc.）の共同設立者

アンドリュー・ジェームズ・ビタビ

　　　　　　　　（ Andrea Giacomo Viterbi）

　　　1935年3月9日生まれ

　イタリア系ユダヤ系米国人の電気技師、実業家

　クアルコム（Qualcomm Inc.）の共同設立者であり

　　　ビタビアルゴリズム

を発明した。

　南カリフォルニア大学ビタビ工学部の電気工学科長教授であり、同校は2004年に彼の5,200万ドルの寄付を称えて彼にちなんで名付けられた。

　
　ビタビはイタリアのベルガモでイタリア系ユダヤ人の家庭に生まれた。

　第二次世界大戦の2年前に家族とともに米国に移住した。

　彼の本名はアンドレアであったが、米国で帰化した際に両親が英語名アンドリューとした。

　ビタビはボストン・ラテン・スクールに通い、 1952年にマサチューセッツ工科大学（MIT）に入学し、電気工学を専攻した。

　1957年にMITで電気工学の学士号と修士号を取得した。

　1956年にMIT支部を通じて名誉協会

　　　エタ・カッパ・ヌー

の会員に選出された。

　卒業後はレイセオン社で働き、後にカリフォルニア州パサデナの

　　　ジェット推進研究所(JPL)に

移り、無人宇宙ミッションの

　　　テレメトリ

に取り組み、位相同期回路の開発にも貢献した。

　同時に、南カリフォルニア大学で博士課程を修了し、1963年にデジタル通信の学位を取得した。

　　
　博士号を取得した後、彼はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の学術職に採用された。

　ビタビは後にカリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）とカリフォルニア大学サンディエゴ校（UCSD）で電気工学の教授を務めた。

　1967年に彼は畳み込み符号化されたデータを復号化する

　　　ビタビアルゴリズム

を提案した。

　このアルゴリズムは今でも携帯電話の誤り訂正符号、音声認識、DNA分析、隠れマルコフモデルの他の多くの用途に広く使用されている。

　弁護士の助言により、ビタビはこのアルゴリズムの特許を取得しなかった。

　ビタビは携帯電話ネットワーク用の符号分割多重接続（CDMA）標準の開発にも貢献した。

　ビタビは1968年に

　　　アーウィン・M・ジェイコブス

と共に小規模な通信請負業者である

　リンクアビット・コーポレーションを共同設立した。

　また、1985年にはジェイコブスと共に

　　　クアルコム社

を共同設立した。

　2003年現在、彼はベンチャーキャピタル会社ビタビ・グループの社長を務めている。

　また、インジェヌの取締役会の戦略顧問として無線通信技術企業に関わり続けている。

　は1978年に米国工学アカデミーの会員に選出された。

　1998年、彼は「ビタビアルゴリズムの発明」により

　　　IEEE情報理論学会

から技術革新に対する

　　　ゴールデンジュビリー賞

を受賞した。

　ビタビは2000年に携帯電話業界への貢献によりワイヤレスの殿堂入りを果たした。

　2002年、ビタビは母校のボストンラテンスクールに

　　　アンドリュー・ビタビ '52 コンピュータセンター

を開設した。

　2004年3月2日、南カリフォルニア大学工学部は、彼が同校に5200万ドルを寄付したことを受けて、彼に敬意を表して

　　　ビタビ工学部

と改名された。

　なお、彼はUSCの評議員会のメンバーである。

　ビタビはスクリプス研究所の評議員も務め、ISSNAF（北米イタリア科学者学者財団）の創設メンバーでもある。

　2005年、彼は電気工学分野でベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞した。

　2006年、彼はEta Kappa Nuの著名な会員に選出されました。

　ビタビとアーウィン・M・ジェイコブスは、「無線通信の成長を可能にした根本的な貢献、革新、リーダーシップ」により、 2007年のIEEE/RSEウルフソン・ジェームズ・クラーク・マクスウェル賞を受賞した。 

　2008年、彼はビタビアルゴリズムの発明によりミレニアム技術賞の最終候補に選ばれた。

　2008年6月11日にフィンランドで行われた授賞式で、彼は2008年ミレニアム技術賞受賞者として賞金11万5000ユーロと賞状「ピーク」を授与された。

　2008 年 9 月、彼は「『ビタビ アルゴリズム』の開発と、デジタル通信の理論と実践を変革した符号分割多重接続(CDMA) 無線技術への貢献」によりアメリカ国家科学賞を受賞しました。

2　010年にIEEE名誉賞を受賞し、同年、ロサンゼルスのイタリア文化協会からIIC生涯功労賞も受賞した。

　2011年にはアメリカ工学会からジョン・フリッツ・メダルを受賞した。

　2013年、ビタビは全米発明家の殿堂入りを果たした。

　2017年、ビタビはアーウィン・ジェイコブスとともに、モバイル業界を牽引する

　　　CDMAとスペクトル拡散の開発

によりIEEEマイルストーン賞を受賞した。

　ビタビは、旧ユーゴスラビアのサラエボからユダヤ人難民として逃れてきた

　　　エルナ・フィンチ（1934年 - 2015年）

と結婚していた。

　エルナはホロコースト（ユダヤ人虐殺）の生存者だった。

　1941年、第二次世界大戦中、フィンチ一家はドイツ占領下のユーゴスラビアからイタリア占領地域へ逃れ、そこから移送され、

　イタリアのパルマ地方に収容された。

　1943年、ナチスがイタリアを占領すると、収容されていた村、グラミニャッツォ・ディ・シッサの人々によって、一家は絶滅収容所への移送から救われた。

　一家は、ドイツ軍がイタリアに侵攻してきたときに、地元の

　　　ポンゲリーニ一家

のブドウ園にかくまわれた。

　他のイタリア人の助けもあって、一家は アルプスを歩いてスイスへ逃れ、そこで戦争が終わるのを待った。

　彼らにはアラン・ヴィタビ、オードリー・ヴィタビ、アレクサンダー・ヴィタビ（2011年に40歳で死去）の3人の子供がいた。