2024年11月01日

英国トラス政権の悪夢を警戒し、8兆円増税でも債券自警団が厳しい目

 英国労働党政権の
   リーブス財務相
が30日の英国議会で「重要な予算演説」を終えた際、債券トレーダーからは歓迎ムードとはならなかった。

 リーブス氏は予算計画で、財政をしっかり管理しつつ
   投資財源を確保する方針
を示そうとしたが、議会での説明からわずか数分で、英国債指標銘柄の10年国債相場は上昇分を消し下落した。
  
 2022年のトラス保守党政権では、
   大型減税案など
が財政不安を引き起こし、英国債とポンド相場の急落を招いた。
 スターマー政権はその記憶を払拭し、債券投資家を引き続き味方に付けることを目指している。  
 ただ、演説直後の相場急変は、綱渡りの財政運営を強いられる状況を浮き彫りにした。
  
 労働党政権が約15年ぶりに公表した
   400億ポンド(約8兆円)増税
を柱とする予算計画の内容は、事前に十分周知されサプライズはなく失望感が漂った。

 英債務管理庁(DMO)は30日、2024−25年度の国債発行予定額が
   2970億ポンド
になると発表した。
 ブルームバーグが調査した16債券ディーラーの予想では
   2930億ポンド
と見込まれていた。

 一方、予算責任局(OBR)は同時に公表した経済・財政見通しで、英中銀の主要政策金利と英国債利回りの予測を引き上げた。
 
 予想を上回る規模の国債入札予定に加え、イングランド銀行(英中央銀行)の
   追加利下げ
が少なくなる見通しが示され、演説の期待もしぼみ、英国債相場は下げに転じた。


posted by manekineco at 06:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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