米国の10月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比1万2000人増だった。
エコノミスト予想値は10万人増だった。
前月は22万3000人増(速報値25万4000人増)に下方修正された。
エコノミスト予想値は10万人増だった。
前月は22万3000人増(速報値25万4000人増)に下方修正された。
10月は強力なハリケーンや大規模なストライキが統計に影響して、2020年以来の低い伸びとなった。
一方で失業率は前月から変わらずだった。
一方で失業率は前月から変わらずだった。
雇用者数を算出する事業所調査の回答率は47.4%と、1991年以来の低水準だった。
ハリケーンの影響で、企業が労働統計局に対し迅速に回答できなかった可能性がある。
労働統計局はその後も毎月調査を継続するので、回答率は通常90%近く、ないしそれ以上に高まる。
その結果、大幅な修正につながる可能性がある
ハリケーンの影響で、企業が労働統計局に対し迅速に回答できなかった可能性がある。
労働統計局はその後も毎月調査を継続するので、回答率は通常90%近く、ないしそれ以上に高まる。
その結果、大幅な修正につながる可能性がある
インフレがおおむね鈍化傾向にある中、米金融当局者は労働市場により重点を置いている。
市場では、FOMCが来週の会合で0.25ポイントの利下げを実施すると広く予想されている。
市場では、FOMCが来週の会合で0.25ポイントの利下げを実施すると広く予想されている。
今回の雇用統計ではまた、8月の非農業部門雇用者数がさらに下方修正され、7万8000人増となった。
ただ9月の雇用者数の伸びは非常に堅調だった。
ただ9月の雇用者数の伸びは非常に堅調だった。
その後に発表された他のデータも経済活動の強さを示しており、複数の当局者が今後の利下げについてより
漸進的なアプローチで望むこと
への支持を表明している。
漸進的なアプローチで望むこと
への支持を表明している。
今週発表された他の統計では、米経済が7−9月(第3四半期)に堅調なペースで拡大したことや、9月にインフレが加速したことが示された。
10月は特に医療と政府部門で雇用が増加したが、他の業種ではほぼ横ばいないし減少となった。
小売りや運輸・倉庫、娯楽・ホスピタリティーなどは全て減少した。
これらは悪天候が影響した可能性が高い。
小売りや運輸・倉庫、娯楽・ホスピタリティーなどは全て減少した。
これらは悪天候が影響した可能性が高い。
また、製造業の雇用は4万6000人減と、2020年4月以来の大幅な落ち込みとなった。
ボーイングの従業員3万3000人などストが影響した部分が大きい。
エコノミストは、ボーイングでのストのほか、9月下旬から10月上旬にかけて南東部を襲った2つのハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」について、失業率を算出する調査よりも雇用者数により強い悪影響を及ぼすと警告していた。
そうした見方を背景に、非農業部門雇用者数の市場予想のレンジは1万人減から18万人増と広範囲に及んでいた。
そうした見方を背景に、非農業部門雇用者数の市場予想のレンジは1万人減から18万人増と広範囲に及んでいた。
ハリケーンの上陸はヘリーンが9月26日、ミルトンは10月9日だった。
ミルトンの上陸日は10月雇用統計の調査期間と重なる時期だった。
雇用統計は2つの調査から構成されている。
ミルトンの上陸日は10月雇用統計の調査期間と重なる時期だった。
雇用統計は2つの調査から構成されている。
雇用者数のデータは事業所調査に基づいて算出され、その月の12日を含む1週間に従業員が勤務しなかった場合、たとえ実際には雇用されていて悪天候の影響で勤務できなかっただけだとしても、就業者としてカウントされない。
一方で失業率を算出する家計調査では、そうした従業員が就業者から除外されることはない。
悪天候の影響で勤務できなかったと回答した人は51万2000人と、1月以来の高水準となった。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミストは「10月の雇用者数は低調だった。
ハリケーンの影響だけが理由ではなく、他の部分でも減速の兆候が見られる。
ハリケーンの影響だけが理由ではなく、他の部分でも減速の兆候が見られる。
この雇用統計を受け、FOMCは11月と12月の両会合で25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを実施する方針を維持するだろう」と分析した。
10月は失業率は横ばいだった。
しかし、職を失った人は2月以来の大幅な増加となり、離職者数は減少した。
労働参加率は小幅に低下している。
25歳から54歳では83.5%と、4月以来の水準に下げた。
労働参加率も家計調査に基づいている。
しかし、職を失った人は2月以来の大幅な増加となり、離職者数は減少した。
労働参加率は小幅に低下している。
25歳から54歳では83.5%と、4月以来の水準に下げた。
労働参加率も家計調査に基づいている。
平均時給は前年同月比4%増。2022年の早い段階では6%近い増加率だった。
家計調査に基づく失業率は4.1%と前月と変わらずだった。
なお、市場予想も4.1%であった。
米労働統計局は、ハリケーンが一部業界の雇用者数に影響した可能性が高いとしつつ、雇用や労働時間、賃金の変動に対する正味の影響を定量化するのは不可能だと指摘した。
そうした統計の情報を提供する事業所調査の回収率も影響を受け「平均を大きく下回った」と説明した。
全米レベルの失業率に目立った影響はなかったとも指摘した。
今回の雇用統計ではまた、製造業の雇用が大幅に減少したことが示された。
ストライキが主に影響した。
ストライキが主に影響した。
こうした状況を総合的に見た場合、今回のデータは一時的な要素や特殊要因を除いても労働市場が軟化しつつあることを示唆している。
来週は米大統領選の投票日を迎え、連邦公開市場委員会(FOMC)会合も開催される。
今回の雇用統計は、これら2つのイベントの前に発表される最後の主要な経済データとなった。
今回の雇用統計は、これら2つのイベントの前に発表される最後の主要な経済データとなった。
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