アップル銀行（Apple Bank for Savings ） 総資産 143億700万米ドル（2018年）

アップル銀行（Apple Bank for Savings ）
　Apple Bank for Savings は、ニューヨーク州マンハセットに本社を置き、ニューヨーク都市圏で営業している貯蓄銀行。

　　

　収益　3億4,073万米ドル（2018年）
　純利益　1億90万米ドル（2018年）
　総資産　143億700万米ドル（2018年）
　総資本　11億9,600万米ドル（2018年）
　
　従業員数　1,001人 (2018年)
　親会社　アップル・ファイナンシャル・ホールディングス（apple financial holdings）
　
　アップル銀行は1863年に地元の商人グループによって、地域密着型の相互貯蓄銀行として

　　　ハーレム貯蓄銀行

として設立された。

　当時のハーレムは郊外の村で、1873年までニューヨーク市の一部ではなかった。

　銀行の最初の店舗は3番街の125丁目と126丁目の間にあり、周囲は農場や未開発の土地に囲まれていた。

　1869年、銀行は3番街と124丁目の交差点に自ら建設した建物に移転した。

　1929年に米国で株価が大暴落したことをきっかけに世界中に広がった。

　経済危機直後の1932年にハーレム貯蓄銀行は

　　　コモンウェルス貯蓄銀行

とその2つの支店を買収した。

　支店はマンハッタンのワシントンハイツの157丁目と180丁目にあった。

　1933年、この銀行は、現在この地域の標準的な綴りであるハーレムに合わせて、銀行名から2つの「a」を削除した。

　1966年、人口増加が郊外へと移行するにつれ、銀行はニューヨーク州ロングアイランドのマンハッセットに支店を開設した。

　1968年、銀行は本社をハーレムから42番街に移転した。

　1981年、連邦預金保険公社が取りまとめた取引（同機関からの1億6000万ドルの補助金を含む）により、同銀行は経営難に陥っていた

　　　セントラル貯蓄銀行

を買収した。

　セントラル貯蓄銀行は1858年に

　　　ドイツ貯蓄銀行

として設立され、当時ニューヨーク市長だった

　　　ダニエル・F・ティーマン

を創立会員として迎え、クーパーユニオンビルで業務を行っていたが、 1864年に14丁目と4番街の交差点に移転した。

　セントラル貯蓄銀行の買収により、銀行はさらに7つの支店を持つことになった。

　その中には、ヨーク・アンド・ソーヤーが設計したルネッサンス復興建築のパラッツォ様式の歴史的建造物に指定されている、西73丁目と西74丁目の間のブロードウェイ2112番地にあるアップル・バンク・ビルと、ロングアイランドのナッソー郡にある2つの支店が含まれる。

　1970年代から1980年代初頭にかけて、銀行はニューヨーク市郊外への事業拡大を続けた。地理的拡大を反映して、1983年5月に銀行名を

　　　アップル銀行

に変更した。

　1985年に同銀行は相互貯蓄銀行から公開会社に転換し、新規株式公開で460万株を5,350万ドルで売却した。

　1986年12月31日、同銀行は

　　　イースタン貯蓄銀行

を買収し、ブロンクスに3支店、ウェストチェスターに2支店、ロングアイランドに2支店を獲得した。

　1989年、同銀行は

　　　サグハーバー貯蓄銀行

とその5つの支店を2,950万ドルで買収した。

　このサグハーバー貯蓄銀行は1860年にニューヨーク州サグハーバーで設立され、捕鯨産業に金融サービスを提供していた。

　1990年、ニューヨークで73番目に高層の建物「277パークアベニュー」の開発業者スタール・オーガニゼーションの経営者

　　　スタンレー・スタール

が1億7400万ドルで銀行を買収した。　

　買収価格は銀行の帳簿価格を下回っていたため、銀行は当初買収を拒否した。

　買収を阻止するためにポイズンピルを導入した。スタールはポイズンピルに反対した。

　ただ、1990年代初頭の不況で株価が下落した後、株主は合併を支持した。

　　

　1991年、ウィリアム・J・ラライアが銀行の会長兼最高経営責任者に就任した。

　ラライアは商業ローンのポートフォリオを縮小し、コストを大幅に削減した。

　1994年、アラン・シャムーンが銀行の最高経営責任者に就任した。

　1999年8月、スタールは亡くなり、銀行の所有権は信託財産に移った。

　
　2013年4月20日、アップル銀行は

　　　エミグラント貯蓄銀行

から29の支店と関連する預金口座およびサービスを買収した。

　この買収により、アップルはニューヨーク都市圏に合計77の支店と約130億ドルの資産を獲得した。

　2015年5月、同銀行はクイーンズのジャクソンハイツ地区に支店を開設した。

　2015年6月、同銀行はブルックリンのベイリッジ地区、86番街426番地に2番目の支店を開設した。

　2015年10月、同銀行はニューヨーク州モンゼイに支店を開設した。

　2016年4月、スティーブン・C・ブッシュが同銀行の会長、社長、最高経営責任者に就任した。

　2021年2月、アップル銀行は

　　　マネーロンダリング対策に関連する銀行秘密法違反

により連邦預金保険公社から1,250万ドルの罰金を科せられた。 

　2022年5月、アップル銀行はアップル銀行の融資基盤を多様化するため

　　　ケン・ウォルターズ

と7人のチームを率いる設備金融グループを設立した。

　このグループは成長を続ける商業・産業融資業務の一部であった。

　この動きは、さまざまな信用条件で担保付きローンやリースが提供する強力なパフォーマンスと保護、特にC&I融資の中で堅実な資産クラスとして機能する

　　　「クリティカルユース」機器の融資

を活用することを目的としていた。

　アップル銀行の経営陣はウォルターズを選んだ。

　アップル銀行の新しいプラットフォームは設備金融市場にうまく対応し、銀行の担保付き融資と保守的なポートフォリオの範囲を補完した。

　2022年9月、同銀行はニュージャージー州イングルウッドに新たな小売支店を開設した。

　支店網を84か所に拡大し、ニュージャージー州住民へのサービス向上を図った。

　同銀行は30年連続で黒字を維持している。

　スティーヴン・C・ブッシュ氏がアップル銀行の会長、社長、最高経営責任者（CEO）を務めた。

　ジェームズ・マテラ氏が執行副社長兼最高小売銀行責任者を務めている。

　2021年12月現在、アップル銀行の資産は161億ドル、預金残高は140億ドルとなっている。