2024年11月08日

トランプ氏は不満のポピュリズムで勝利しており、変化への許容度低下も危険な反発を多く生じさせ大混乱に陥りかねない

 米大統領選で勝利を手にした
   ドナルド・トランプ氏
は、ホワイトハウス復帰に向け動き出した。
 激動の1期目では、米国の政治生活を制約する非公式なガードレールを幾つも突き破った。
 2期目はさらに制限を受けない政権運営が予想される。
 トランプ氏はリベンジを目指すと誓っている。

  史上有数の驚くべきカムバック劇は、「ポピュリストのアイドル」ともいえるトランプ氏の勝利でクライマックスを迎えた。
 同氏は4年前、敗北と屈辱を味わい混乱を引き起こしてワシントンを去った。
 2021年1月6日の連邦議会襲撃事件後には、扇動を疑わせるトランプ氏の役割に抗議し、閣僚2人が辞任した。
  
 トランプ氏はその後、複数の刑事事件で起訴され、不倫口止め料の記録改ざんを巡っては、ニューヨーク州の裁判所の陪審が34件の罪で有罪評決を下した。

 それでも同氏は共和党への影響力を強化し、大統領選の党候補指名争いでライバルを速やかに退けた。
 今回の大統領選では、数十年ぶりに一般投票の得票数が民主党候補を上回る見通しで、トランプが勝ったおいうよりもハリスの支持がなかったのが影響しており、バイデンの撤退の時期が遅れたのが一番の問題だろう。

 トランプ氏のまさかの復活は、外国生まれの居住者の割合を1910年以降で最も高くした移民流入やトランスジェンダーの権利、サービス経済移行、貿易のグローバル化に対する労働者クラスの反発が後押しした。
 不平不満に基づくポピュリズムの勝利を意味し、1期目が逸脱したケースでなかったことも2回目の勝利は示している。

 ウォール街の投資家の一群は、法人税減税と規制緩和、関税引き上げというトランプ氏の公約が株価を押し上げ、インフレを加速させ、債券利回り上昇とドル高を促す可能性に賭けている。
 トランプ氏が支持を公言する暗号資産(仮想通貨)も恩恵を受けると期待される。

 トランプ大統領が推進する関税引き上げは、1期目の措置よりはるかに包括的かつ徹底したものであり、20世紀後半から続く
   国際貿易システム
に致命的な打撃を公約通りであれば与えてしまうことだろう。

 ただ、トランプ氏が最終的にどこまでやるかは見通せない。
 これまでのアドリブと直感に基づく行動履歴から考えると、2期目の対応はかなり不確実性を伴う。1期目に近いものになれば、急カーブが待ち受けているだろう。

 権威主義への傾倒に対する不安も高い。
 トランプ氏は最初の任期中に
   反対派の調査
を命じ、20年の大統領選の敗北を認めず、外国の絶対的指導者らを決まって惜しみなく称賛した。

 トランプ氏の首席補佐官を務めた
   ジョン・ケリー氏
は5日の大統領選直前の米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、トランプ氏が先の大統領在任中、ナチス・ドイツの独裁者ヒトラーに仕えた将官の個人的忠誠心に言及し、羨望を繰り返し口にしたと証言している。
 「ファシストの一般的な定義」に同氏が該当すると主張した。
   
 78歳のトランプ氏は、過去最高齢で米大統領に選出される。
 地球温暖化は犠牲を伴う課題を提起し、人工知能(AI)の飛躍的進歩は仕事の革命的変化を投資家に期待させるが、トランプ氏の勝利は、米有権者の変革への許容度を映す危険信号だが、公約履行というよりも、トランプの関与する私有事業への忖度が大きくなりそうだ。。

 同時にそれはレーガン元大統領以来の自由市場と自由貿易、楽観主義を掲げる企業寄りの政党を歴史の灰として葬り去った。
  
ひとこと
 思考に偏りが在るとランプ政治が公約通りに行う可能性はほとんどないだろう。
 利害対立で矛盾があるまま論功行賞で支持者に権限を渡せば、支持層の分裂を加速させるだけだろう。
 政治的に身動きできなくなる停滞に押し込まれかねない。
 
   
posted by manekineco at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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