2024年12月10日

コンゴで不明の致命的な伝染病が拡大し、 1か月で80人が死亡

 中央アフリカに位置するコンゴ民主共和国で、新たな致命的な伝染病が発生した。
 衛生当局によると、10月下旬に初めての症例が確認されて以来、376件の感染が報告され、そのうち80人が死亡している。
 ただ、現在でも、この病気がウイルス性か細菌性かは特定されていない。

 コンゴの衛生部は、患者の初期症状がインフルエンザに似ており、発熱、咳、鼻水、頭痛、体の痛みが見られると述べている。
 感染者は主に遠隔地のクワンゴ州パンジ地区に集中しており、首都キンシャサから約700キロメートル離れている。
 この地域住民の40%がが栄養失調で苦しんでいる。

 世界トップクラスの鉱産資源国で銅、コバルト、ダイヤモンド、カドミウム、金、銀、亜鉛、マンガン(世界1位)、スズ、ゲルマニウム、ウラン、ラジウム、ボーキサイト、鉄鉱石、石炭、プラチナ(世界1位)などを産する。

 天然資源が非常に豊富なコンゴだが、政情不安、インフラの不足、汚職から商業および
   ベルギーの植民地
となり、現地住民は象牙やゴムの採集を強制され、規定の量に到達できないと手足を切断するという残虐な刑罰が情け容赦なく科された。
 日本やドイツによる第二次世界大戦で欧米が保有していた火器弾薬類が消耗され、軍事力で支配する構図が破壊されたことで、多数の独立国が生まれ、その後60年以上独立してきた。
 なお、植民地から離脱できたものの広範な開発はほとんど行われなくなった。

 近年は、中国との貿易関係が深くなっており、21世紀型植民地政策ともいえる一帯一路で負債で雁字搦めとなっている途上国が増えている。
 コンゴは20年に及ぶさまざまな内戦と国内紛争の継続を経て、2018年の時点で約60万人のコンゴ難民が依然として近隣諸国に住んでいる。また、200万人の子供たちが飢餓の危険にさらされており、戦闘により450万人が避難を余儀なくされている。

 コンゴ民主共和国の治安は不安定な状態に見舞われ、国家の混沌が今も続く為、安易に街中を巡ることは危険性が高く、外出時には常に注意を求められる。
 首都キンシャサでは「シェゲ」と呼ばれるストリート・チルドレンによるひったくりやスリ、「クルナ」と呼ばれる不良暴力集団による殺人、強盗、恐喝事件などが多発している。
 特に夜間は、武装グループによる民家や車両を狙った強盗などの凶悪事件も多発している。
 そもそも、給料支払いが遅れている軍人や警察官が加害者になるケースも稀ではない。
 また、警察官などを装って金品を要求する詐欺などの犯罪も頻発している。

 東部地域(オー=ウエレ州、イトゥリ州、北キブ州、南キブ州及びバ=ズエレ州の中央アフリカとの国境地帯など)では、依然として武装勢力による地元住民の虐殺、誘拐などの非人道的行為の発生が多数報告されている。
 加えて政府の統治も未だ完全に行き届いてはおらず、不安定な状態が続いている。

 2021年5月6日以降、軍と警察に完全な権限が与えられ州政府が運営されており、事実上の戒厳状態にある。
 この措置は当初は30日間限定であったが以降も議会によって15日ずつ延長を繰り返しており、2022年8月現在に至っても継続されている。しかし紛争の鎮圧に効果があったとは言い難い。
 2020年4月から2021年5月までの間に国軍と武装勢力との衝突は約400件、それによる民間人殺害が1,374人だったのに対し、戒厳状態となった2021年5月から2022年4月までは約600件、2,500人以上と悪化している。
 2022年時点においても民主同盟軍(ADF)をはじめとする、120を超える反政府武装組織が主にイトゥリ州、北キブ州、南キブ州など東部で活動を行っていると見られている。

 政治の混乱の広がりもあり、治安システムが崩壊してしまっており、伝染病の封じ込めは不可能な状況となっているようだ。
   
    
posted by manekineco at 10:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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