シグナ（Cigna Group ）米国の多国籍 営利 管理医療保険会社 総資産 1,528億米ドル（2023年）

シグナグループ（Cigna Group ）

　コネチカット州ブルームフィールドに本社を置く米国の多国籍 営利 管理医療保険会社。

　保険子会社は、医療、歯科、障害、生命、傷害保険および関連商品やサービスの大手プロバイダーであり、その大部分は雇用主やその他のグループ（政府および非政府組織、労働組合、協会など）を通じて提供されている。

　シグナはデラウェア州に設立されている。

　　

　収益　1,953億米ドル（2023年）
　営業利益　85億3,600万米ドル（2023年）
　純利益　53億7,200万米ドル（2023年）
　総資産　1,528億米ドル（2023年）
　総資本　462.2億米ドル（2023年）
　従業員数　約 72,500人（2023年）
　

　子会社　エクスプレススクリプト
　
　2023年フォーチュン500社リストにおける総収益による米国最大企業ランキングで第15位にランクインした。

　また、2023年フォーブス・グローバル2000ランキングでは68位となった。

　
　シグナは、1982年に

　　　コネチカット・ジェネラル生命保険会社（CG）

とアメリカ初の株式会社保険会社である

　　　北米保険会社

の親会社

　　　INAコーポレーション

が合併して設立された。

　社名のシグナは、合併した会社のCGとINAの文字を組み合わせたもの。

　北米保険会社は1792年に設立され、CGは1865年にコネチカット州知事の特別法により設立された。

　1871年10月、シカゴ大火が2日間燃え続け、2,000エーカーを焼失し、イリノイ州の10万人が家を失った。

　INAは65万ドルを支払い、全額支払ったわずか51社の保険会社（全202社中）の1社であった。

　シグナは1997年に生命保険事業の大部分を

　　　リンカーン・ナショナル・コーポレーション

に売却した。

　シグナは、一度支払った請求を拒否し始めることができた。

　また、会社の医師がファイルを開いたり、詳細なレビューを行ったりする必要がなかったため、請求を拒否するコストが削減された。

　彼らは単に電子署名で請求を一括で拒否した。

　拒否が行われるスピードは、社内で「クリックアンドクローズ」と呼ばれていた。

　2002年には、利益操作により証券取引法違反の疑いがかけられ、その結果、同社の普通株価は大幅に下落した。

　
　2007年12月、シグナはカリフォルニア州の10代の少女ナタリン・サーキシアンの肝臓移植の費用を支払うことを拒否した。

　その結果として厳しい監視を受けることになった。

　移植を待つ肝臓は準備されており、医師らは彼女が少なくとも6ヶ月は生存する確率は65%であると見積もっていた。

　こうした行為に対し、多くの抗議と世間の監視を受けて、シグナは決定を覆したが。

　しかし、サーキシアンさんは移植を待つ間に亡くなった。

　肝移植は1963年以来行われており、末期肝疾患や急性肝不全の治療選択肢として広く受け入れられているが、シグナは、サルキシャン氏の病状の患者に対する移植が安全かつ効果的であることを示すデータが不十分であると主張して、自社の行為を弁護した。

　カリフォルニア州の裁判所は、シグナの意思決定に関するサルキシャン夫妻の主張は連邦ERISA法によって先取りされているというシグナの立場に同意した。

　2009年4月16日、カリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所は、補償決定に関連するシグナに対するすべての主張を棄却した。

　英国の新聞ガーディアン紙は、企業によるインターネットのコントロールに関するEsc and Ctrlビデオブログで、ナタリン・サルキシャン氏とシグナの元副社長が、アストロターフィング（医療保険会社などの利害関係者が偽のブログを作成し、国民皆保険制度の否定など、その会社に利益をもたらす主張をメディアに流す行為）について話している事件を記録した。

　2008年、シグナの広報責任者

　　　ウェンデル・ポッター

が辞職し、内部告発者となり、 2009年に米国上院商務科学運輸委員会で医療業界の改革を支持する証言を行った。

　2011年、カリフォルニア州看護師協会は、シグナが全請求の約39.6％を拒否していると判断した（同じ期間に全請求の約5.9％を拒否したアエトナなどの競合他社と比較して）。

　2011年11月、シグナとヘルスケアに特化したインドの複合企業

　　　TTKグループ

は、政府の承認を条件にインドで健康保険事業を展開するために、

　　　シグナTTK

という合弁会社を設立しました。

　2011年10月、シグナは

　　　ヘルススプリング社

を38億ドルで買収することに合意し、メディケア・プランの販売事業を4万6000人のメディケア・アドバンテージ会員から40万人近くのメディケア・アドバンテージ会員に拡大することにした。

　支払いは新株発行で約20%を賄い、残りは追加の現金と負債で賄う予定であった。

　2013年、シグナは30カ国で事業を展開し、約3万5800人の従業員を擁し、約537億3400万ドルの資産を管理していた。

　2015年、アメリカ消費者満足度指数はシグナをアメリカで最も嫌われている企業の一つに挙げた。

　シグナの名前は2018年、ACSIの最も嫌われている企業リストに再び登場した。

　2015年6月、米国の医療保険会社

　　　アンセム社

は、現金と株式を合わせて470億ドルでシグナ社を買収すると発表した。

　アンセム社は、2015年7月24日にシグナ社買収契約が成立したことを確認した。

　2016年7月21日、米国司法省は合併提案を阻止するために

　　　独占禁止法違反訴訟

を起こした。

　裁判の結果、2017年2月8日の地方裁判所の判決で、反競争的であるとして合併が阻止された。

　その月、シグナ社はアンセム社との480億ドルの合併契約を破棄し、アンセム社は「合併契約に基づく権利を行使し続け、取引を完了させるよう努める」と述べた。

　独占禁止法違反による合併阻止に対する連邦控訴が尽きた後、両社はデラウェア州の衡平法裁判所で互いに敵対した。

　法廷闘争は、2020年8月31日の判決で両社が合併失敗に対する損害賠償請求を却下したことで終結した。

　2018年3月7日、シグナが

　　　エクスプレス・スクリプツ

を670億ドルで買収することが発表された。

　2018年8月24日、シグナとエクスプレス・スクリプツの株主はこの取引を承認した。

　2020年6月、シグナは

　　　プライオリティ・ヘルス

と戦略的提携を結び、包括的な医療保険をミシガン州の雇用主と顧客にとってより手頃な価格で利用できるようにした。

　2020年9月、シグナは、エクスプレス・スクリプツ、アクレド、エヴィコアを含むヘルスケアサービスポートフォリオを

　　　エバーノース

という名前でリブランドした。

　2020年11月、投資家らはシグナのCEOと取締役会を相手取り、 2017年にアンセムとの合併の可能性を「台無しにするために」ブラックオプスのような戦術を使ったと主張して訴訟を起こした。

　ある年金基金は、シグナのCEO

　　　デビッド・コルダーニ

が、新会社の最高職を確保できなかった後、合併を台無しにしようとしたと非難した。

　同基金は、コルダーニが弁護士と広報の専門家を利用して「トロイの木馬」キャンペーンを仕掛けたと主張した。

　合併により、2017年に米国最大の医療保険会社が誕生するはずだった。

　2020年10月、シグナとエンビジョンヘルスケアは、エンビジョンの臨床医をシグナの会員のネットワーク内プロバイダーとして含める契約を更新したことが発表された。

　2021年、モリナヘルスケアはテキサス州におけるシグナのメディケイド契約を6,000万ドルで買収した。

　2023年2月13日、シグナは持株会社を

　　　シグナグループ

健康保険プロバイダー事業部門を

　　　シグナヘルスケア

エバーノース事業部門を

　　　エバーノースヘルスサービス

に改名した。

　2024年1月、同社はヘルスケアサービスコーポレーション（HCSC）と、シグナグループの

　　　メディケアアドバンテージ

　　　シグナサプリメンタルベネフィット

　　　メディケアパートD

　　　ケアアライズ事業

を売却することで合意した。

　取引総額は約37億ドル。この取引には、シグナグループの子会社であるエバーノースヘルスサービスがメディケアに薬局給付を継続する4年間のサービス契約も含まれている。

　必要な承認がすべて得られれば、取引は2025年第1四半期に完了する予定である。　

　シグナは、2005年から2009年にかけて、同社が支持する法案成立のためのロビー活動に440万ドル以上を費やした。

　これには、5つの企業に20人のロビイストを雇ってロビー活動を行った2009年だけで費やした72万ドルも含まれている。 

　
　2023年、シグナは、会社の医師が患者のファイルを開いていなくても請求を拒否できることを認めていたとして批判された。

　同社は「PXDX」というシステムを使用していたことが判明した。

　プロパブリカによると、このシステムは「2つの方法でコストを削減した。

　2020年8月、司法省はシグナに対して訴訟を起こした。

　同社が患者の健康状態とは異なる診断コードを提出し、メディケア・アドバンテージ、メディケア、メディケイドから14億ドルを詐取したと主張した。

　シグナは2009年のガートナー＆1to1カスタマーエクスペリエンスエクセレンスアワードで金賞を受賞した。

　この賞は「最も模範的な顧客関係戦略と、比類のないレベルの卓越した顧客体験の提供を実証した」企業に与えられる。

　2010年1月、シグナはコールセンター全体でJDパワーの顧客サービス賞を受賞し、4年連続で受賞した。

　2010年4月16日、シグナはヒューマナグループと提携し、退職者向けに雇用主クライアントを通じて合理化されたメディケアアドバンテージサービスを提供すると発表した。

　2023年11月、ロイターはシグナとヒューマナが合併交渉中であり、取引額は総額600億ドルであると報じた。

　2023年12月、ウォールストリートジャーナルは合併交渉が終了したと報じた。