IGグループ（IG Group Holdings plc IG Group）英国を拠点とするオンライン取引プロバイダー

IGグループ（IG Group Holdings plc 　IG Group）

　英国を拠点とするオンライン取引プロバイダー

　スプレッドベッティングとCFD取引へのアクセスを提供し、これにより、トレーダーは原資産を所有することなく、株式、債券、通貨の方向性に賭けることができる。

　収益　9億8,730万ポンド（2024年度）
　営業利益　3億6,920万ポンド（2024年度）
　純利益　3億770万ポンド（2024年度）
　従業員数　2570 人 (2024年度
　

　子会社
　・DailyFX
　・tastytrade
　・tastylive
　・Spectrum Markets
　・Raydius
　・BrightPool
　

　IGグループは1974年に

　　　スチュアート・ウィーラー

によって設立され、ロンドンに本社を置き、ヨーロッパと米国で事業を展開している。

　2024年現在、時価総額は34億ポンドで、19,000の投資市場で取引を提供している。

　IGは金融行為監視機構（FCA）の規制下にあり、ロンドン証券取引所に上場し、 FTSE 250指数の構成銘柄である。

 　
　IGグループは、もともとIGインデックス（Investors Gold Index）として1974年に英国の投資家スチュアート・ウィーラーによって6人の友人から3万ポンドの初期投資を受けて設立された。

　同社はスプレッドベッティングを提供する最初の企業となり、投資家が当時の英国の為替管理によって制限されていた

　　　物理的な金

を購入するのではなく、

　　　金価格を投機すること

を可能にした。

　　

　1993年、IGグループはスポーツイベントのスプレッドベッティングに進出し、1996年には外国為替取引の提供を開始した。

　2000年7月、IGインデックスの親会社としてIGグループが設立された。

　その株式はロンドン証券取引所に上場され、この種の企業としては初の株式公開となった。

　インターネットの台頭により

　　　スポーツ賭博

が急増し、同社は2001年後半に1000万ポンド以上の収益を上げ、2000年上半期の収益のほぼ3倍となった。

　IGグループは2002年にオーストラリア市場に参入し、初の海外進出を果たした。

　2003年、創業者のスチュアート・ウィーラーは同社株23.68%を売却し、9,000万ポンドを得た。

　ウィーラーには他の主要株主も加わり、売却される株式総数は30%に達した。

　CVCキャピタル・パートナーズが支援する経営陣による買収により、同社の評価額は1億4,300万ポンドとなった。

　2005年4月、IGグループは13億ポンドの評価額で株式市場に復帰し、CVCは5,800万ポンド相当の株式を売却した。

　同社は世界的な拡大を続け、 2007年にオンラインデリバティブ取引プラットフォームである

　　　HedgeStreet

を290万ポンドで買収して米国市場に参入した。

　その後にNadexにブランド名を変更した。

　2008年9月、IGグループは日本のトレーディング会社

　　　FXOnline

を1億1200万ポンドで買収した。

　2011年、IGグループは2,550万ポンドの純損失を報告したが、これは主に

　　　日本における規制変更

によりレバレッジが10倍に制限され、同社が以前に提供していた100倍以上から大幅に低下したことが背景にある。

　同社はまた、収益の減少によりスポーツ賭博サービスである

　　　エクストラベット

を閉鎖し、閉鎖費用として530万ポンドを負担した。

　2014年9月、IGグループは4,500銘柄へのアクセスを提供するオンライン株式ブローカープラットフォームを立ち上げた。

　2016年9月、同社は

　　　FXCM

から金融ニュースおよびリサーチポータル

　　　DailyFX

を4,000万ドルで買収した。

　しかし、同年、金融行動監視機構（FCA）による新たな業界規制の発表を受けてIGグループの株価は38％下落した。

　同社の時価総額は10億ポンド減少した。

　これを受けて、IGは2017年初頭にバイナリーオプション商品を撤回した。

　2017年、IGは

　　　ブラックロック

と提携してIGスマートポートフォリオを立ち上げ、ウェルスマネジメント分野に参入した。

　2019年、IGは外国為替取引を提供する新しい米国子会社

　　　IG US

を立ち上げた。

　2024年6月、IG USはtastyfxにブランド名を変更した。

　IGグループは2020年に環境・社会・ガバナンス（ESG ）戦略「Brighter Future」を立ち上げた。

　この取り組みの一環として、同社は特にCOVID-19パンデミックの影響に対応して、若者向けの教育・開発プログラムを支援するために200万ポンドの基金を設立した。

　
　2021年1月、IGグループはシカゴを拠点とするオンライン証券会社

　　　Tastytrade

を10億ドルで買収し、個人投資家向けのサービスを強化した。

　2011年に

　　　トム・ソスノフ

によって設立された同社は、証券部門の

　　　tastyworks

を傘下に収めており、2023年に

　　　tastytrade

にブランド名を変更した。

　2022年3月、IGグループは、北米デリバティブ取引所（Nadex）とスモール取引所の株式39％を、Crypto.comとして取引されている

　　　Foris DAX Markets Inc

に2億1600万ドルで売却する取引を仲介した。

　IGグループは、2024年度上半期に、税引き後利益が前年比32％減少したと報告した。

　2024年度末までに、税引き前利益は11％減少し、年間収益は10％減少した。

　アクティブクライアント数は358,000から346,200に減少した。

　これを受けて、同社は従業員の10％を削減する計画を発表し、2024年8月に7,500万ポンドのトランシェから始まる1億5,000万ポンドの自社株買いプログラムを開始した。

　
　IGグループはロンドンに本社を置き、米国、欧州連合、オーストラリア、シンガポール、南アフリカ、スイス、日本、ドバイを含む複数の地域で事業を展開している。

　同社は世界中に18の営業所を運営しており、顧客に19,000の金融市場へのアクセスを提供している。

　 IGグループはロンドン証券取引所に上場しており、 FTSE 250指数の構成銘柄である。

　2024年10月現在、同社の時価総額は34億ポンドである。

　IGグループは、国によって規制が異なるため地域ごとに異なるレバレッジ商品や投資商品を提供している。

　EUではターボワラントを提供し、米国ではtastytradeの買収を通じて、個人投資家に合わせたオプション、先物、暗号通貨取引を提供している。

　
　ティム・ホーキンスは最高財務責任者を務め、2006年10月にCEOに就任した。

　2015年に退任するまで9年間同社を率いた。

　ピーター・ヘザリントンは1994年に新卒研修生としてIGグループに入社し、2015年10月にCEOに就任した。

　ヘザリントンは2018年9月に退任した。

　2018年10月、IGグループはジューン・フェリックス氏をCEOに任命した。

　フェリックスは取締役会に参加する前、3年間社外取締役を務めていた。

　健康上の問題により、フェリックスは2023年12月に辞任し、ブレオン・コーコラン氏が新CEOに任命された。

　
　IGグループは、顧客損失の取り扱いに関してメディアから批判を受けている。

　シティの訴訟事務所Signature Litigationのパートナーである

　　　ナタリア・チュマック氏

は、IGグループと取引する

　　　顧客は無制限の損失を被る可能性

があるが、同社は必ずしも

　　　このリスクを明確にしていない

と指摘した。

　また、IGグループは特定のリスクを回避できるかもしれないが、利益があれば利益を得ると指摘した。

　2021年3月、FinanceFeedsとFinancial Magnatesは、取引量が多い時期にIGグループの取引システムが頻繁に停止していると報じた。

　これらの停止により、顧客はポジションを管理できなくなり、

　　　金銭的損失

が発生した。

　FinanceFeedsはまた、2021年1月の大規模な停止の際には、IGグループが国民の懸念に対処するためにメディアの問い合わせに迅速に対応したものの、適切な顧客サポートを提供しなかったと報じた。

　2024年4月には、別のシステム障害により、50人以上の顧客の口座から誤って資金が引き落とされた。

　この問題は1週間以上解決されず、メディアの注目を集めた。

　対照的に、同社は同日中に顧客口座の過剰入金を修正したと報じられている。

　
　IGグループの創設者スチュアート・ウィーラーは政治活動に積極的に関わり、いくつかの注目すべき寄付を行った。特にブレグジット運動への資金提供により、彼は「英国政治の主要な混乱者」というニックネームを得た。

　
　2010年、IGグループのスプレッドベッティング会社であるIGインデックスは、倒産し​​たスコットランドのトレーディング会社エシュロン・ウェルス・マネジメントの元顧客3人から2100万ポンド（2500万ユーロ）の訴訟に直面した。

　顧客は、自分の資金がIGの分別預金口座に保管されていると信じていた。

　しかし、エシュロンの破綻後、IGはこれらの資金を他のエシュロンの顧客の損失を補填するために使用した。

　この訴訟は2020年に却下された。

　2015年1月、不安定な市場イベント中にIGの取引プラットフォームに障害が発生し、370人以上の顧客が多額の損失を被った。

　1月15日、スイス国立銀行（SNB）はスイスフランの最低為替レートを突然撤廃した。

　これによりEUR/CHFが30％下落した。

　競合他社が顧客保護のために即座に行動する中、IGは自社のリスクをヘッジしようとして対応を10分遅らせた。

　さらに、プラットフォームの技術的問題によりストップロス注文を手動で実行する必要があり、顧客の損失がさらに拡大した。

　影響を受けた顧客の中には多額の負債を抱えた人もおり、年収1万8000ポンドの教師が28万ポンドの損失を被った。

　これらの事件にもかかわらず、IGは契約上の義務を果たしたと主張した。

　2015年6月、金融オンブズマンサービスはIGに対し、被害を受けた顧客に100万ポンドの補償を命じた。

　2024年10月現在、IGグループはオーストラリアで誤解を招く不当な行為を理由に2件の訴訟に直面している。

　2023年5月、法律事務所

　　　パイパー・アルダーマン

はIGマーケッツに対して集団訴訟を起こし、同社が適切な安全策を講じずに経験の浅いトレーダーに差金決済取引（CFD）を宣伝したと非難した。

　2023年8月にはIGマーケッツ・リミテッドとIGオーストラリア・プライベート・リミテッドに対して2件目の集団訴訟が起こされ、IGは2017年5月から2023年8月まで、オーストラリア証券投資委員会（ASIC）によって不適切かつ有害とみなされたCFDやバイナリーオプションなどの高リスク金融商品を宣伝することで個人投資家を誤解させたと主張した。

　この訴訟はウッドフォードによって資金提供されている。

　
　IG グループは2010-2011年のスペインシーズンにヘタフェCF サッカークラブのスポンサーを務めた。
　2010年11月、IGマーケッツは2011年にプロサイクリングチーム「チームスカイ」を支援するスポンサー契約を締結した。
　2021年5月、IGグループは2021年と2022年にかけてイングランド・クリケット・クラブのパートナーとなった。
　2024年2月、IGグループは名古屋市に建設予定の

　　　スポーツ・エンターテインメントアリーナ

の10年間の命名権契約を締結した。