2025年02月08日

トランプ氏が「対日貿易赤字を解消したい」と主張、「日鉄は買収でなく投資」と言い張る?

 トランプ米大統領は7日、石破茂首相とホワイトハウスで会談し、
   対日貿易赤字
を解消したいと述べた。
 日本製鉄によるUSスチール買収計画については、日鉄は買収ではなく、USスチールへの投資で合意したと述べた。

 トランプ氏は石破氏との初会談で、「私は、赤字の面で他の国々も米国と平等になるようにしたい」と発言し、貿易面での懸念を強調した。

 石破首相は今回の訪米で、
   経済・防衛面での関係強化
を図りたい考えで、日本は米国にとって極めて重要な同盟国の一つであり、石破首相は同盟国も標的にするトランプ大統領の関税の脅威による経済的打撃を回避し、米国との安全保障面での協力を再確認することを目指している。
  
 会談後に開いた共同記者会見でトランプ氏は、日鉄は買収ではなく、
   USスチールへの投資
を検討していると述べ、米国内における風向きを変えようとこれまでの発言を修正する動きだ。
 ただ、米国の投資会社による日本企業への投資拡大が続いており、円安から円高に移行する際に企業内部にある留保資金を吐き出させる株主要求が激増する可能性と為替差益を狙った動きなど金融市場が大きく揺れる状況を作り出していきそうだ。

 トランプ氏は会見中、USスチールに関心を示している企業として日産自動車の名前を繰り返し挙げており、あまり意識に入れていない姿を露呈した。
 この発言の文脈から日鉄について話していたと考えられるが、劇場型政治家であり本心は不明だ。
  
 会見でトランプ氏は、「日産はUSスチールについて非常にエキサイティングなことをしようとしており、買収ではなく投資を検討している」と述べた。
  
 さらに「USスチールはわれわれにとって非常に重要な企業だ。何年も前、80年前には15年間にわたって世界で最も偉大な企業だった。それが去るのを目にしたくはないし、実際のところ去ることはないだろう。ただ、そうした考えは心理的に良いものではない」と指摘しており、買収ではなく、持株会社の下にするといった手法での買収を模索しているようだ。
 ただ、持株会社にした場合の株式の配分によっては為替を円安にしてる状況では米国側に有利になりかねず、日鉄の経営権まで米国に映るリスクも懸念されるだろう。
  
 その上で、「彼らはUSスチールを所有するのではなく、多額の投資をすることに同意した。非常にエキサイティングなことだ」と語った。
  
 首脳会談の冒頭でトランプ氏は、日鉄によるUSスチール買収計画について考えを変えたのかとの質問に対し、「ノーだ。その件についてはきょう話し合うことになるだろう。私は考えを変えていない。それについてかなり良い情報が得られると聞いている」と述べていた。
 それ以上の詳細は語らなかった。
  
 このトランプ氏の発言後、USスチール株は一時下げを拡大して8.1%安となった。
 その後に上げに転じた。
 
 CBSニュースは複数の関係者の話として、日鉄によるUSスチール買収の計画についてトランプ氏が認可を検討していると報じた。
 共同記者会見でのトランプ氏の発言に反応し、USスチール株は再び下げに転じた。

   
posted by manekineco at 06:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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