習近平(Xi Jinping)
1953年6月15日生まれ
中国の政治家であり、2012年からは中国共産党の第9代総書記、第13代中央軍事委員会主席を務めた。
2013年からは第7代国家主席も務めている。
総書記として、彼は中国の最高意思決定機関である中国共産党政治局常務委員会の委員も務めている。
習近平は、中華人民共和国の建国後に生まれた最初の中国共産党総書記である。
習近平は、元中国副首相の
習仲勲
斉欣
の息子として生まれた。
1965年、中学校である北京市八一学校に入学するもが、1966年5月の
文化大革命
の発生により学校が解散された。
この事により習の学校教育が中断された。
習は世界最強の囲碁棋士の1人
聶衛平
と北京25中学からの友人で、聶によれば中国人民解放軍の
劉衛平少将
との3人で「北京25中学の三平」と呼ばれていたとされる。
八大元老でもあった父の習仲勲が迫害された文化大革命において反動学生として批判された。
習近平自身も紅衛兵によって十数回も批判闘争大会に引き出され、4度も監獄に放り込まれている。
1969年1月から7年間陝西省延安市延川県に下放され同地で生産大隊の党支部書記を務めている。
1969年1月から7年間陝西省延安市延川県に下放され同地で生産大隊の党支部書記を務めている。
その後、1974年1月に中国共産党に入党した。
下放された1975年は文化大革命の期間中で全国普通高等学校招生入学考試が中断したため、中学1年以降に正式な教育を受けていない。
しかし、「工農兵学員」という模範的な労働者・農民・兵士(個人の政治身分)の推薦入学制度を経て、国家重点大学の清華大学化学工程部に無試験で入学し、有機合成化学を学んだ。
1979年4月に同大学を卒業した後、国務院弁公庁及び中央軍事委員会弁公庁において、副総理及び中央軍事委員会常務委員の耿飈の秘書をかけ持ちで務めた。
1985年にアメリカ合衆国を視察で訪問し、当時のアイオワ州知事で後に駐中国大使の
テリー・ブランスタッド
と親交を結んでホームステイをした。
1998年から2002年にかけて、清華大学の人文社会科学院大学院課程に在籍し、法学博士の学位を得た。
ただ、海外の複数メディアから、論文の代筆の疑惑が報じられている。
1985年にアメリカ合衆国を視察で訪問し、当時のアイオワ州知事で後に駐中国大使の
テリー・ブランスタッド
と親交を結んでホームステイをした。
1998年から2002年にかけて、清華大学の人文社会科学院大学院課程に在籍し、法学博士の学位を得た。
ただ、海外の複数メディアから、論文の代筆の疑惑が報じられている。
習近平は、中国沿岸部の省で政治的に台頭した。
1999年から2002年まで福建省長を務め、2002年から2007年まで、浙江省の省長および党書記を務めた。
陳良宇の解任後、習近平は2007年に短期間、党書記として上海に異動した。
習近平は2007年10月に中央指導部に昇進し、
胡錦濤
の後継者となるための訓練を受けた。
2012年11月、中国共産党大会で中国共産党総書記および中央軍事委員会主席に選出された。
2013年3月、中国代表大会で国家主席に選出され、中国の指導者としての最初の任期が始まった。
中国の指導者は5年ごとに交代し、おおよそ10月/11月(中国共産党と軍)と翌年の3月(政府)に交代する。
2014年11月、国内における外国勢力のスパイ活動の取り締まりを目的として中華人民共和国反間諜法(反スパイ法)を制定した。
2017年10月と2018年3月、習近平は党、軍、政府の指導者として再選され、2期目の任期が始まった。
中国の指導者はここ数十年の伝統により、2期(合計10年)指導する。2期目は後継者を決定し、権力の移行を準備するが、習近平主席はこの伝統を止め、後継者候補の胡春華氏と孫政才氏を切り捨てた。
習近平は1953年6月15日に中国の北京で生まれた。
父親は党宣伝部長や副首相など多くの役職を歴任した。
「脱貧困」の推進は、ケ小平以来の
雄改革開放路線
が曲がり角に来ていることをも示している。
ケ小平による社会主義の大義に縛られず市場経済を導入するというこの現実的な考え方は、「まず一部の人々を豊かにさせ、その後豊かになった者がほかの人々を引き上げて共同富裕を目指す」という先富論として知られた。
今回の習総書記による「脱貧困」政策は、一部の人々を豊かにさせるという段階から、次の「共同富裕」の段階に入ったという認識であると考えられる。
この「共同富裕」を目指すことが、発展優先の現実路線から、
社会主義の理念
を優先することに傾くことにつながると考えられるとしている。
ウイグル人の住民が漢族住民及び武装警察と衝突した事件は、中国当局の発表(2009年7月19日現在)では、死者197名、負傷者1,721名に上る犠牲者が出たとしている一方、亡命ウイグル人組織の世界ウイグル会議の発表(2009年7月10日現在)で、中国当局や漢族の攻撃により殺されたウイグル人は最大3,000人と発表している。
しかし、当時の習は解放軍の指揮権を有する中央軍事委員会にも武装警察の指揮権を有する中央政法委員会にもポストを持っておらず、軍事行動の責任がとれないことから、一般的には、江沢民時代から新疆を統治していた当時の自治区党委員会書記兼新疆生産建設兵団第一政治委員の王楽泉が責任者だとされている。
2015年11月29日付けの中国共産党の機関紙『人民日報』によると、同月27日と28日の両日、習近平総書記は「脱貧困」に向けた重要会議を開いた。
会議で習総書記は「貧困を解消し、庶民の暮らしを守ることは社会主義の本質的な要求であり、我が党の重要な使命だ」と述べたと演説した。
発展が遅れ気味な22の省と市の幹部に「脱貧困に取り組む責任書」に署名をさせた「
責任書」には、脱貧困を最優先の課題とすることや、うわべだけを取り繕って中央の予算支援を無駄にしないことなどを誓わせている。
習近平は2016年、中国人民解放軍幹部の非公開会議で、「尖閣諸島や南シナ海の権益確保は『われわれの世代の歴史的重責』だ」と述べた。
習政権の最重要任務と位置付けていたことが2022年10月、内部文献調査により判明した。
会議では、南シナ海の
軍事拠点化
を指示する内容の発言もあった。
この習発言の約100日後に中国の軍艦が初めて尖閣諸島周辺の排他的経済水域の接続水域に侵入した。
これ以後、軍事的圧力を強めて強硬姿勢を明確にしていることから、習発言が背景にあったことが確実視されている。
2018年3月11日、全国人民代表大会は中華人民共和国憲法の改正を承認した。
習近平主席と将来の国家主席が任期制限なしに再選されることが可能となった。
2018年7月、米中間で貿易戦争が勃発した。
当初、習近平は「歯には歯を」と戦うと宣言し、中国の強さを見せつけた。
対立が悪化するにつれ、中国は態度を軟化させた。米国との貿易紛争への対応で習近平の権威が損なわれたとの報道もあった。
2022年10月、習近平は3期目に再選された。
この再選により、習近平は毛沢東以来初めて3期目に選ばれた党指導者となったが、ケ小平はより長い間非公式に国を統治していた。
2022年11月24日、新疆ウイグル自治区ウルムチ市で10人の犠牲者を出した火災が発生し、火災のあったアパートがコロナ対策で封鎖され消防車が入れなかったことが被害を拡大したとの見方がSNSを通して全中国に広まった。
11月26日、南京市の南京伝媒学院で数百人規模の抗議集会が開かれた。
11月27日、上海市内では「ウルムチ」の名を冠した通りに多数の人びとが集まって習近平の辞任を求め、その動画はネット上に広がった。
同日、北京市の清華大学でも数百人を越える規模の学生による抗議集会が開かれた。
また、火災の犠牲者の追悼すらも許さない中国共産党の言論統制に対して強い抗議の声をあげた。
人民の間でゼロコロナ政策に対する疑問と不満が強まっており、インターネット上でも「習近平、やめろ」「共産党、やめろ」の声が拡がっていた。
2023年7月には同法を改正するなど締め付けを強化している。
これに関しては、色の革命を主導するアメリカのNED(全米民主主義基金)の潜伏活動に対抗するためや中国人女子留学生が留学先でハニートラップに遭い17年間も情報漏洩が行われた事例、などが背景にあるものとされている。
2019年、習はロシアのプーチン大統領と「深い個人的な友情」があると述べている。
愛称は「クマのプーさん」であるが、中華人民共和国ではネット検閲によって「クマのプーさん」が禁止されている。
中国の人権状況を問題視する西側諸国に対し、2009年に習は外遊先のメキシコにて、「腹いっぱいでやる事のない欧米人が、中国の欠点をあげつらっている」と罵り、アメリカなどによる人権問題提起を非難して物議を醸した。
中国国内では愛国的発言のように受け止められたが、海外の報道機関は批判的に取り上げた。
また、中国共産党内で回覧された9号文件は「西洋の自由民主主義・人権・市場経済を嫌う習の思想を現している。」といわれている。
1987年に彭麗媛と結婚しており、2人の間には習明澤という一人娘がいる。
習明澤は、2015年にハーバード大学を卒業した。
習近平は中国の中南海に住んでいる。
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