ニック・リカータ（Nick Licata）ロサンゼルス・マフィア・ファミリーのボス

ニック・「オールドマン」・リカータ（Nick "Old Man" Licata (born Nicolò Licata）

　　　1897年2月20日 - 1974年10月19日

　イタリア系アメリカ人のギャングスターで、1967年から1974年に亡くなるまでロサンゼルス・マフィア・ファミリーのボスを務めた。

　本名：ニコロ・リカータ

　リカータは1897年2月20日、シチリア島にあるイタリアの小さな町カンポレアーレで生まれた。

　ただし、彼の姓はリカータに由来する可能性がある。

　彼はカロジェロとヴィータの息子で、6人の兄弟と2人の姉妹がいた。

　エリス島の記録によると、彼は16歳の時に25ドルを持ってパレルモでサンタ・アンナ号に乗船し渡米した。

　1913年12月5日、リカータはアメリカ合衆国に到着し、ブルックリンで兄レオナルドと合流した。

　彼は後に法的にファーストネームを英語化し、「ニック」と改名した。

　1920年代、禁酒法時代のデトロイトでリカタは密造酒に手を染め、やがてデトロイトの犯罪組織の「成り上がり者（メイド・マン）」となりました。

　彼はロサンゼルスのボス

　　　ジョセフ・ゼリリ

を怒らせたため、粛清されると考えてロサンゼルスへ亡命した。

　彼はロサンゼルスのボス

　　　ジャック・ドラグナ

に気に入られ、ドラグナはゼリリを説得してリカタへの殺人依頼を中止させた。
　彼はロサンゼルス・ファミリーの一員として受け入れられ、ドラグナの弟で顧問の

　　　トム・ドラグナ

と親しくなった。

　1932年3月25日、リカタは帰化市民となった。

　彼はイングルウッドに居住し、自身が住んでいたアパートを含む複数のアパートを所有していた。

　リカタはバーを所有し、ハリウッドのラ・ブレア・アベニューのたまり場と、バーバンクの東アンジェレノ通り216番地にある「ファイブ・オクロック・カフェ」というカフェ兼クラブで、賭博や高利貸しをしていた。

　彼は1945年に酒類の容器への詰め替えで一度逮捕された。

　1951年、ニック・リカタは、

　　　アラデナ「ジミー・ザ・ウィーゼル」フラティアーノ

がカンザスシティ出身のロサンゼルスの強盗犯2人、通称「ツー・トニー」こと

　　　アンソニー・ブランカト

とアンソニー・トロンビーノを射殺した夜、フラティアーノに完璧なアリバイ工作をした。
　リカタは自身の経営する

　　　ファイブ・オクロック・クラブ・バーバンク・レストラン

でフィッシュフライパーティーを開催した。

　他の客とウェイトレスが大陪審の前で、フラティアーノとその仲間が夜通しレストランにいたと証言した。

　フラティアーノ、リカタ、チャールズ・「チャーリー・バッツ」・バッタリア、アンジェロ・ポリッツィ、レオ・「リップス」・モチェリは逮捕されたが、誰も起訴されなかった。

　ロサンゼルス市警の確信が裏付けられたのは、25年以上後にフラティアーノがFBIの政府証人となった時だった。

　1952年、ジャック・ドラグナは

　　　ジミー・フラティアーノ

をキャプテン（キャプテン）に昇進させた。

　より理にかなった候補者であったリカタをなだめるため、リカタはドラグナの直属として働くことを許可された。

　リカタはデトロイト、ダラス、カンザスシティ、ニューオーリンズのマフィアファミリーと良好な関係を築いていた。

　1956年にドラグナが亡くなると、

　　　フランク・デシモーネ

が一家の新しいボスとなった。

　彼はリカータをコンシリエーレに任命した。

　リカータは一家の若いメンバーの間で人気があった。

　デシモーネの副ボスであった

　　　シモーネ・スコッツァーリ

が1962年に不法移民の罪でイタリアへ強制送還され、ニック・リカータがデシモーネの副ボスとなった。
　1967年、フランク・デシモーネが心臓発作で亡くなると、リカタは誰の反対もなくロサンゼルス・マフィアの新たなボスとなり、アップランドの

　　　ジョセフ・ディッポリト

を副ボスに任命した。

　この頃、ロサンゼルスのマフィア一家は、リカタが最初に率いた頃とは大きく様変わりしていた。

　ロサンゼルス市警とFBIはロサンゼルスの組織犯罪に猛烈な攻撃を仕掛けた。

　また、他都市のマフィア一家も西海岸へと勢力を伸ばしていた。

　無能なデシモーネよりはましだと思われていたリカタだったが、一家を助けることはほとんどできなかった。

　1969年7月9日、リカタは連邦大陪審の審理でロサンゼルスの犯罪シンジケート構造に関する質問に答えることを拒否した。

　このため、拘留された。

　リカタは訴追免除を受けていたにもかかわらず、

　　　ジェシー・W・カーティス・ジュニア判事

にいかなる情報も提供することを拒否し、マフィアのオメルタの誓いを維持した。

　彼は法廷侮辱罪で有罪となり、最終的に6ヶ月の懲役刑に服した。

　裁判所は、ジュール・ペトロ殺害事件（レイ・フェリットによる）と、リカタの前任者

　　　フランク・デシモーネ

が出席した

　　　アパラチン会議

を捜査していた。

　リカタはまた、自分がデシモーネの後継者として犯罪一家の頭領となったことを認めることを拒否した。
　リカタは最終的にデトロイトで再び高い地位を取り戻した。

　1953年、息子のカルロはデトロイトのアンダーボス

　　　ウィリアム・「ブラック・ビル」・トッコ

の娘、ジョセフィン・トッコと結婚した。

　リカタはデトロイトで行われた結婚式に出席した。

　ジャック・オマラ巡査は、リカタに対する逮捕状を執行中に、デトロイトとロサンゼルスの犯罪組織のメンバーの名前が書かれた結婚式の招待状を発見した。

　彼はそれを違法に持ち去った。

　これは、カリフォルニア州の組織犯罪を撲滅しようとする警察の決意を示すものだった。

　リカタの義理の息子

　　　フランク・ステリーノ

も、1960年代から70年代にかけてロサンゼルスで「メイド・マン」として活躍した。

　リカタは晩年をサンタモニカのセント・ジョンズ・ヘルスセンターで過ごした。

　しばらく闘病生活を送り、アンダーボスが心臓発作で亡くなってから9か月後の1974年10月19日に亡くなった。

　彼はカルバーシティのホーリークロス墓地に埋葬された。

　彼の葬儀には150人が参列した。

　一部新聞では彼をあらゆる点で真のゴッドファーザーと評した。