2025年10月07日

米政府閉鎖の攻防で最前線に立つバンス氏がホワイトハウスの顔?

 ホワイトハウスは政府閉鎖をめぐる攻防の顔として、
   バンス副大統領
を前面に据える動きを強めている。
 トランプ大統領よりも穏当で統制のとれた情報発信役を務めさせている格好だ。  
 バンス氏の役割拡大は当初から明らかだった。
 政府閉鎖を前にした9月29日には、トランプ氏と議会指導部との交渉にバンス副大統領が同席した。
 その後の記者への説明では、共和党のジョンソン下院議長とスーン上院院内総務に先立ち、バンス副大統領が主導的な役割を担った。
 政府機関閉鎖初日には朝のテレビ番組に相次いで出演し、民主党議員がつなぎ予算に賛成すべき理由について、政権側の主張をバンス副大統領が述べた。
 その後、ホワイトハウスの記者会見室に突然姿を見せ、記者らの服装やトランプ氏の最近のSNS投稿を話題に軽口を交わした。
 こうした気さくな振る舞いは綿密に計算された演出とみられる。
 過激な民主党に妨げられる「穏健で責任ある政権運営者」として、共和党を印象づける狙いがありそうだ。
 政敵へのネット上での挑発的発言で知られるバンス副大統領にとっては、新たな試みの始まりだ。
 世論調査では、有権者は政府閉鎖の責任をトランプ氏や共和党に帰する傾向が強いことが示されているため、こうした姿勢は共和党にとって極めて重要な出来事となりえる。
 バンス氏は、議会と密接な関係を持ち、共和党の主張を一貫して伝えられる人物として存在感を強めている。
 また、政府閉鎖の開始以降、公の場への登場を控えているトランプ氏にとっても、米国民からの批判の矛先をかわす目論見もあり、予算が通らないことに伴う混乱かバンス副大統領を間にいれることで、一定の距離を置く余地を与えている。
 ただ、焦点となるのは、バンス氏の手法が世論の壁を打ち破れるかどうかだ。
 バンス氏の役回りにはリスクが伴う。
 2028年の共和党大統領候補への出馬がほぼ確実視される同氏にとって、政府閉鎖への対応が不評を買えば、その責任を負わされる可能性が当然高い。
 トランプ氏が気が向けばいつでも表舞台に立てる代役というのも、副大統領の宿命で、批判が広がれば首の据え変えを躊躇なく行い切り捨てられるのはマスク氏やバノン氏と同じだろう。
 
   
posted by manekineco at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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