インドの株式相場は8年連続の上昇と、年間ベースで過去最長の値上がりで2023年を終える勢いだ。
堅調な経済成長やインフラ整備の促進、利上げの一時停止が、株価指数を高値に押し上げている。
不動産や工業、資本財関連の銘柄が上げをけん引した。
一方で、
アダニ・グループの傘下企業はここ数カ月の反発にもかかわらず、ほとんどが下落した。
インド株の指標S&P・BSEセンセックス指数は23年に約17%のリターンを記録し、8年連続高となる方向にある。
また、モディ首相が24年の総選挙を勝ち抜き、政権を維持するとの見通しが、この強気相場が続くとの期待を高めている。
外国勢は23年には200億ドル(約2兆8500億円)超えるインド株を買い入れた。
昨年の170億ドルに続くもので、シャドーバンクの負債の激増や不動産企業の経営破綻など景気低迷に苦しむ中国とは対照的で、投資家のインド選好が浮き彫りとなっている。
インドの不動産株の指標は08年以来の高値まで上昇し、BSEが管理する他の全業界別指数より好調だった。
利上げ一服や高級住宅への需要、海外在住のインド人による投資が不動産開発銘柄を押し上げた。プレステージ・エステート・プロジェクトは約140%高、DLFは約2倍の水準に急騰した。
ジェフリーズは今月のリポートで、「住宅に対する旺盛な潜在需要や平均を上回る値ごろ感、売れ残り在庫が12年ぶりの低水準という状況が組み合わさり、数年にわたる住宅の好循環が促進されるはずだ」との見方を示した。
また、エンジニアリング大手のラーセン・アンド・トゥブロとウルトラテック・セメントがセンセックス指数構成銘柄としてトップクラスの上昇を記録し、人口世界一となったインドのインフラ建設に注目が集まっていることを裏付けている。
新時代のテクノロジー企業は復活を遂げており、 ゾマトはオンライン食品注文の増加で倍以上の株価水準となった。
スズキとの提携で自動車を製造しているタタ・モーターズは今年、センセックス指数銘柄でトップパフォーマーの1社だ。
これまでに90%近く上げ、上場来高値を更新した。インドがクリーンエネルギーの電気自動車(EV)を後押ししている流れに乗った。
アダニ・グループの4社は、今年S&P・BSE200指数構成銘柄のワースト10に入り、グループの中核企業アダニ・エンタープライゼスは25%余り下落した。
世界はこのコングロマリットを注視しており、米調査会社で空売り投資家のヒンデンブルグ・リサーチが1月のリポートでアダニの不正を主張したことで、グループ企業の株価が急落した。
アダニ・ポーツ・アンド・スペシャル・エコノミック・ゾーンやアダニ・パワーなど有利な資産を持つ事業の一部はヒンデンブルグのリポート公表前の水準を超えて上昇した。
しかし、ほとんどのグループ銘柄はまだ落ち込み分を完全には取り戻していない。
また、資産家のアニル・アガルワル氏が経営する鉱業大手ベダンタは今年約15%値下がりとなった。同社の重い債務負担を投資家が警戒した。
posted by manekineco at 01:00|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
株銘柄
|

|